山形の教育旅行

蔵王で樹氷のメカニズムを知ることは地球温暖化や異常気象など身近な環境問題について考える契機となります。山寺(立石寺)や上杉神社で歴史を学ぶことや、紅花染め体験もできます。

山形の自然

蔵王の樹氷

スノーモンスターとも呼ばれる蔵王の樹氷は、この地域の特殊な気象条件によって、氷点下の水滴(過冷却水滴)を含んだ季節風がオオシラビソ(アオモリトドマツ)にぶつかり、瞬間的に凍り付くことで大きく成長していきます。しかし近年、樹氷が小さく、見られる期間も短くなっています。蔵王の樹氷に何が起きているのか、現地で学びながら、身近にある環境問題と自分にできることを考えます。

鳥海山・飛島

「日本百名山」の一つに数えられる名峰「鳥海山」。日本海の海抜0メートルから標高2,236mの高さまで立ち上がる珍しい山では、豊かな自然を通じて生物多様性や環境保全の重要性を学びます。山形県唯一の有人離島「飛島」では、ガイドや島民とふれあい、独自の漁村文化の誕生と島の漁師の生活の知恵などを学びます。

鶴岡市立加茂水族館

クラゲの展示種類数世界一を誇る水族館で、様々な形や大きさ、色をしたクラゲを観察し、「クラゲの給餌解説」で生態や繁殖、分類などについて学ぶことができます。また、観察することが目的の「地曳網漁体験 魚ッチング」では、みんなで力を合わせて網を曳き、実際に手で触れながら漁獲調査を行います。海洋資源の減少や魚種の変化など、環境問題を実感できる体験です。

山形の歴史

山寺(立石寺)

宝珠山立石寺を中心とする山寺は、松尾芭蕉も訪れて一泊し、『閑さや岩にしみ入る蝉の声』の名句を紀行文 「奥の細道」に残したことでも知られています。ゆかりの地を訪れ、改めてその句の意味と背景を考えます。また、心の学習として僧侶の法話を聞き、座禅を体験することもできます。

米沢城址周辺

自ら率先して改革を実践し、経営学、リーダー論において高く評価されている、第九代米沢藩主・上杉鷹山。「松岬神社」には上杉鷹山や初代藩主・上杉景勝など計6名が祀られているほか、「上杉博物館」では上杉鷹山について描いたドラマ仕立てのシアターで、改革の経緯と功績、それを支えた人物について学ぶことができます。上杉鷹山の取組みは、現代のSDGsにも通ずるものがあります。また、近くには戦国最強の武将と語り継がれている上杉謙信を祭神とした「上杉神社」もあります。

山居倉庫

1893年に建てられ、米の積出港・酒田を支えた山居倉庫は、約130年もの間、米貯蔵庫として現役で使われ続けました。屋根を二重にして断熱材代わりにしたり、倉庫の裏側にケヤキを植えて西日避け・強風避けにしたりと、自然を利用した先人の知恵がいたることろに詰まっています。

山形の文化

紅花文化

山形県の花である紅花は、日本遺産「山寺が支えた紅花文化」、日本農業遺産「歴史と伝統がつなぐ山形の『最上紅花』」に認定され、文化や伝統をつむぐストーリーや、生産・加工システムについて高く評価されています。文化や歴史の学習、体験をとおして、伝統と技術の継承について考えます。

山形の農業体験・民泊

庄内町農山村体験

庄内町は米どころ庄内平野のほぼ中心部に位置しており、先祖から受け継がれてきた米文化・食文化が、豊かな自然の恩恵と共に今も暮らしの中に息づいています。野外体験では、昔ながらの田植えやきのこ栽培のための菌付けなどを体験。農家民泊では、郷土料理づくり、伝統の手仕事体験、本格的な農家体験など、各家庭の特色を活かした民泊を体験します。