スピリチュアルな旅へ パワースポットで異世界を体感
世界に誇る霊山、生と死の境を象徴する神秘的な景色、俳聖も登った石段の先にある天空の絶景など、時間と労力をかけても訪れたい寺院、神社、精神修行スポットのおすすめを紹介します。非日常を感じるスポットで、異世界を肌で感じてみてください。
恐山菩提寺 青森
下北半島に位置する霊場・恐山は、日本三大霊山のひとつといわれています。恐山菩提寺は、慈覚大師円仁が1000年以上前に建立し、外輪山に囲まれた霊場は、外部からは見ることのできない途絶された場所。地元では古くから「人は死ねば恐山に行く」と言い伝えられ、一帯には荒涼とした風景が広がります。極楽浄土を思わせる美しさの極楽浜、硫黄臭が立ち込める地獄谷、無間地獄、血の池地獄…恐山菩提寺の境内はまるで死後の世界のようです。
なまはげ館 秋田
男鹿半島やその一帯で伝わる伝統民俗行事「なまはげ」。鬼のお面と藁の衣装をまとったなまはげは、国の重要無形民俗文化財として登録されています。「泣ぐ子はいねがー」と叫びながら鬼のお面をかぶってやって来るので、子どもを泣かせる悪者だと思われがちですが、実は、人々の怠け心を戒め、無病息災・田畑の実り・山の幸・海の幸をもたらすために、毎年大晦日にやってくる神なのです。
なまはげ館には、歴史的ななまはげの展示コーナーや衣装の試着コーナーなどがあり、運が良ければ、なまはげ彫師によるなまはげ面の手彫り実演を見られることもあります。男鹿の寒風山で採石される男鹿石を多用した石造りの外観にも注目してください。
立石寺 (山寺) 山形
「山寺」の通称で知られる「宝珠山立石寺」。奇岩怪石からなる山全体が修行と信仰の場になっており、登山口から大仏殿のある奥之院まで小1時間ほど歩きます。1015段もある長い石段を登って奥之院を目指すのが王道の参拝ルート。途中には句碑などの史跡や絶景が広がるスポットなど見どころがたくさんあり、絶景の名刹です。
俳聖・松尾芭蕉が「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の名句を紀行文「おくのほそ道」に残したことでも知られています。
羽黒山 山形
山岳信仰の場とされた「出羽三山」。羽黒山、月山、湯殿山という3つの山の総称です。羽黒山は現世の、月山は前世の、湯殿山は来世の幸福を願う地とされることから、出羽三山の旅は「生まれ変わりの旅」と言われています。「西の伊勢参り、東の奥参り」という言葉もあり、一生に一度は参拝するべき場所として有名です。羽黒山の参拝ルートは約1.7km。隋神門(ずいしんもん)から三神合祭殿(さんじんごうさいでん)まで片道1時間ほどです。
佐渡/能 新潟
佐渡島は、古くから能と深い関わりがあることで知られています。能を観てみたいけどなんだか難しそう、敷居が高そうというイメージを持つ人も多いことでしょう。しかし、佐渡の能はそんなことありません。佐渡の能舞台のほとんどが神社の境内にあり、客席は野外です。よって、夜間の演能は必然的に薪能になります。夕闇が辺りをつつみ、松明の火の粉が響く静寂の中、厳かに演能が始まります。薪能の幻想的な空間は、能について詳しくなくても十分楽しめ、佐渡の能鑑賞は比較的おおらかな観劇スタイルといえるでしょう。