ジブリの世界を感じる東北旅

今年9月、スタジオジブリが全作品の場面写真を順次提供すると発表しました。大好きなアニメ作品が身近になる嬉しいニュースですが、実は東北にも、ジブリ作品の舞台によく似た実際の世界に身を置くことができるスポットがあります。ファンに“聖地”として親しまれるスポットをいくつかご紹介するので、各地を訪れ、作品の世界をより一層楽しんでみてはいかがですか。


はじめにご紹介したいのは、青森・秋田両県にまたがる世界遺産『白神山地』。世界最大級のブナの原生林が広がり、多様な動植物が命を謳歌する白神山地について、ジブリは『もののけ姫』の制作時に“大いに参考にした”と公表しています。


白神山地を気軽に体感できるスポットとして、青森県深浦町の「十二湖」があります。十二湖は江戸時代の大地震によって造られた33湖沼群の総称で、森の中の遊歩道を辿って湖沼巡りが楽しめます。中でも、青い湖面が神秘的な「青池」が人気です。


青森県には、もう1つの聖地があります。『借りぐらしのアリエッティ』の舞台の参考となった、平川市の『盛美園』です。明治時代の三大名園に数えられる3,600坪の庭園が広がり、一角に庭園鑑賞のために建てられた「盛美館」があります。


園内では、石橋が架かる池泉やドーム屋根を配した盛美館など、作品の世界を彷彿とさせる景色が楽しめます。さらに、ジブリのスタッフが盛美園を訪れた際のサイン色紙(実物のコピー)なども見ることができます。


脚に自信があれば、秋田駒から乳頭山への縦走コースや、滝ノ上温泉からのルートでの登山もおすすめ(いずれも中~上級者向け)。

秋田県と岩手県の県境付近には、『ハウルの動く城』の風景モデルになったともいわれる『千沼ヶ原湿原』が広がります。


標高1379メートルに位置する、十和田八幡平国立公園内最大の高層湿原で、そのスケールの大きさ、原始性が保たれていることなどで尾瀬に匹敵するともいわれ、湿原特有の高山植物が多く生息しています。


植物といえば、『おもひでぽろぽろ』の紅花を思い出す方も多いと思います。こちらの舞台は、山形県山形市の高瀬地区。高瀬紅花ふれあいセンター周辺などで毎夏、美しい紅花畑を見ることができ、毎年7月には、紅花染め体験などが楽しめる「山形紅花まつり」も開催されます。


『おもひでぽろぽろ』で描かれた景色は、山形市内各地の風景を参考に、情緒あふれるアニメーションで再現されています。時代を経て、変わってしまった景色もありますが、面影を訪ねてみるのもおもしろいかもしれません。


大正末期から昭和初期の洋風木造多層の旅館が軒を連ねる温泉街、山形県尾花沢市の銀山温泉は、『千と千尋の神隠し』の舞台を思い出させるスポットです。


銀山温泉の象徴的な景観を持つとされる『能登屋旅館』は、大正10年に完成した木造3階建ての建物で、玄関上部のバルコニーや塔屋が印象的です。大正ロマン溢れる世界を満喫しつつ、温泉に浸かって旅の疲れをいやし、季節のご馳走に舌鼓…。日常の忙しさから心もからだも解放され、素晴らしい体験ができることでしょう。




■各地の魅力をより知るために以下のぺージもぜひ参考に。



国指定名勝 盛美園

http://www.seibien.jp/


しずくいろ 一般社団法人しずくいし観光協会(千沼ヶ原湿原)

http://www.shizukuishi-kanko.gr.jp/nature/article.php?p=51


能登屋旅館

https://www.notoyaryokan.com/