報恩寺は、1394年(応永元年)に創建されたと伝えられる由緒あるお寺。ここの見どころは「五百羅漢」。五百羅漢とは、お釈迦様の死後、あちこちから集まったという五百人の聖者。もとは生身の人間だけに、人間くさいリアルな表情をしています。
山門より中に入っていくと、本堂に向かって左手側に羅漢堂があり、そこにひしめくように納められているのが「五百羅漢」。報恩寺の五百羅漢は、1731年(享保16年)から4年を費やして京都の9人もの仏師の手によってつくられたと言われており、全て寄せ木造り、漆塗り。現存する羅漢像は499体ですが、木彫りでそれだけの数が残っているのは全国的にも珍しいと言われており、盛岡市指定有形文化財になっています。服装からは印度・西域・支那の僧が連想され、マルコポーロやフビライハンの像と言われるものもあり、国際色豊かであることも特徴の1つ。
一体一体を見ていると、居眠りをしているもの、隣同士で無駄話をしていそうなもの、とぼけた表情ものなど、どれも人間らしくてユーモラス。台詞が聞こえてきそうな面白さです。自分や知人にそっくりな羅漢像に会いに行ってみませんか?