渡辺邸は酒造業・廻船業に始まり、大名貸しや新田開発で財を成した豪商・豪農の館です。現在の母屋は江戸時代末期の1817年(文化14年)に再建され、国の重要文化財に指定されています。最盛期には約700ヘクタールの水田を有し、約9,000俵の米が収穫されました。
母屋の大屋根は、木羽と呼ばれる杉の薄板を羽重ねにして並べ、玉石を置いて押さえる日本海側特有の屋根です。渡辺邸の石置木羽葺屋根は、なんと約15,000個の玉石と約23万枚の木羽板を使用しており、日本最大級の規模を誇ります。
池泉回遊式庭園は国指定名勝。大座敷の床の間を背にして眺めると、白梅(春)、カキツバタ(夏)、紅葉(秋)、雪見灯篭(冬)など、まるで山水を描いた屏風のように四季を楽しむ事ができます。