酒田市出身の世界的写真家土門拳の約7万点にもおよぶ作品を収蔵、展示する写真美術館。
土門氏の代表作『古寺巡礼』。その旅は全国各地、100ヵ所以上のお寺を巡り、40年もの時間をかけたそう。途中、病に倒れ車椅子で移動する身になってもやめることはなかった旅の中で撮影した仏像の写真は、目の前に仏像が鎮座しているようで心に迫りくるものがあります。近年では、写真家のみならず、仏像好きの人々が訪れることもあるほど。他にも閉山された炭鉱の町の子供達を撮影した『筑豊のこどもたち』や原爆投下12年後の広島に訪れ被爆者たちの日々を撮影した『ヒロシマ』など、代表作は数知れず。写真の鬼とも呼ばれた土門拳の世界観をたっぷり堪能できます。
飯森山公園内に位置し、鳥海山も眺望できる自然たっぷりの空間。初夏には、公園内に120品種、10,000株ものあじさいが咲き誇り、品種数では日本一とも言われています。6月下旬から7月上旬にはあじさいライトアップも。その自然の中に調和された建物は、土門氏と深い親交があった芸術家たちが力を注いだそう。設計はニューヨーク近代美術館の改装などを手掛けた世界的建築家 谷口吉生氏。中庭には彫刻家のイサム・ノグチ氏の彫刻とベンチ、その他にも庭園や銘板、銘石など記念館全体が芸術作品に包まれています。その芸術的価値も評価され、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでは、二つ星を獲得しています。