米沢藩を治めた上杉家の初代謙信公から12代斉定公まで歴代の藩主の廟が並ぶ「上杉家廟所」は、杉木立に囲まれた静粛で厳かな趣。参道を進むと、凛とした空気が感じられます。
以前は2代目の景勝公を中心に左右交互に廟が建てられていましたが、越後春日山(新潟県)から会津を経て米沢城本丸に祀られていた謙信公のご遺骸が1876年に上杉家廟所に移され、現在の謙信公を中心に整然と廟が立ち並ぶ景観になりました。上杉家の質実剛健の家風を今に伝え、上杉家と米沢藩の歴史を物語っているかのようです。今でも、謙信公や歴代藩主を偲んで、全国から参拝者が絶えることはありません。
米沢市の冬の風物詩ともなった「上杉雪灯籠まつり(2月中旬頃)」の期間中は、廟所内にも雪灯籠と雪ぼんぼりが設置されます。ろうそくのやわらかな明かりが灯された夜の廟所は、日中とは全く違う趣に変わり、幻想的な雰囲気に包まれます。上杉雪灯籠祭りのメイン会場である松が岬公園と合わせて立ち寄ってみてはいかがですか。