山形県庄内地方に6体ある即身仏の内、2体を奉る寺。1つの寺で複数の即身仏を奉っているのは全国で唯一ここだけです。海向寺は、今から1200年前に真言宗の開祖 弘法大師空海によって開かれたと伝えられています。境内には、本堂、2体の即身仏を奉る即身仏堂、市内を見渡せる鐘撞堂、女性の守り観音さまを奉る粟嶋水月観音堂が建てられています。
即身仏とは…?かつて飢饉や病に苦しむ人々や世の平穏のため、その苦しみや悩みを代行して救うために自らの体を捧げて仏になられた僧侶のことです。海向寺では、忠海上人(ちゅうかいしょうにん)と円明海上人(えんみょうかいしょうにん)、2体の即身仏をお奉りしています。海向寺に奉られる2人の上人は、湯殿山仙人沢での米・麦などの五穀を絶ち山に育つ木の実などだけで日々を過ごす木食修行(もくじきしゅぎょう)、お沢がけ、荒行の後、最後に土の中に入定し、仏になられました。これからも、祈りと願いの架け橋として、存在し続けてくれる事でしょう。参拝の際には、願い事をひとつだけ上人様におかけください。