りんご「ふじ」発祥の地・藤崎町。昭和13年から37年(1938~1962年)にかけて開設されていた農林省園芸試験場東北支場。最大の研究成果が「ふじ」の品種育成でした。試験場が岩手県盛岡市に移転統合され、残念ながらふじの原木も盛岡市へ移植されてしまいましたが、株分けされた原木と同じ遺伝子を持つ若木が藤崎園芸高等学校(当時)の生徒たちによって植樹され、いつでも育成当初と同じ形質のふじを観察できるよう誕生したのが「藤崎町ふじ原木公園」です。現在、各地にあるふじの樹は改良されているものであるため、原木とはかなり異なっています。同校の生徒たちは、原木と同じ遺伝子をもったふじを育成するため、接ぎ木した穂木の部分から直接発根させ台木を除去して移植する方法を行い、2009年、発根に成功した8本を「藤崎町ふじ原木公園」に移植しました。現在もその貴重なふじの木々たちは、次世代に遺すべき町の財産として大切に育てられています。