日本短角種とは、黒毛和種を含む「和牛」4品種のひとつで、旧南部藩時代に北東北で役畜として飼養されていた「南部牛(なんぶうし)」をルーツにもつ、岩手県生まれの和牛品種です。 毛色は赤茶色で、牛肉にもいわゆる「サシ」が入りにくく、赤身の牛肉になるなど、黒毛和種とは異なる肉の美味しさが味わえます。 「いわて短角牛」の母子は、夏から冬にかけて母子放牧され、雪で放牧地が使えない冬は牛舎で過ごす「夏山冬里(なつやまふゆさと)」と呼ばれる方式で生産されます。母牛は雄大な放牧地で草を食み、子牛は母牛の母乳を飲んでスクスク成長します。夏の間に、母牛は「まき牛」との自然交配により新たな子牛をお腹に宿し、翌冬には牛舎で分娩し、また初夏には子牛とともに放牧地へ向かいます。 日本短角種の生産頭数は、国内で流通する肉牛のわずか0.4%程度と貴重な存在。岩手県はそのうちの4割程度のシェアをほこり、国内最大の短角牛産地です。 ※掲載情報は2023年10月現在