弘前れんが倉庫美術館のもととなる煉瓦倉庫は、酒造工場として約100年前に建てられ、戦後日本で初めて大々的にシードルを製造していた工場でもありました。
そして、美術館になる前の2002年・2005年・2006年と3回に渡り、弘前市出身の現代美術家・奈良美智が展覧会を開催しました。
現在の美術館のエントランスには、当時の展覧会に参加したボランティアの方々へ感謝の意を込めて寄贈された『A to Z Memorial Dog』が展示されており、皆様をお出迎えいたします。
美術館への改修にあたり気鋭の建築家・田根剛が「3つのポイント」にこだわり設計を手掛けました。
1.「記憶の継承」
煉瓦など可能な限り既存部分を残し活用しつつ、耐震補強を行いました。
2.「弘前積みレンガ工法」
エントランスに施されたどこか暖か味を感じる美しい煉瓦のアーチは、新しく積まれたもので、既存のイギリス積みに対して「弘前積み」と名付けられています。
3.「シードル・ゴールドの菱葺屋根」
美術館棟の屋根一つ一つはチタンで出来ていて、光の当たり方によって色が違って見えるので、様々な表情を見せてくれます。
展覧会は年間3つのプログラムで構成され、奈良美智、ジャン=ミシェル・オトニエルをはじめ、国内外の現代アーティストによる作品をご覧いただけます。
現代アートを通して、地域と世界を結び、多様なヴィジョンと豊かな感性に触れ、過去から現在、そして未来へ繋がる新たな創造性を喚起する、クリエイティブ・ハブ(文化創造の拠点)を目指します。
新しく生まれ変わった「弘前れんが倉庫美術館」で、弘前の歴史・文化に触れながら楽しいひと時をお過ごしください。