宮城県北東部の気仙沼湾内に位置する東北最大級の有人島で、三陸復興国立公園と海域公園に指定されています。島の海岸線は屈曲が著しく、自然が作り出した美しい景勝は見事で、島の東側にある「小田の浜海水浴場」は、環境省が選定した「快水浴場百選」の中でも特選(全国2位)の評価を受けました(2006年)。北部にそびえる亀山からは全島が一望でき、その景色は「緑の真珠」と詠われるほどです。
観光地として人気の気仙沼大島でしたが、東日本大震災では細長い島の東西から押し寄せた津波で、島内は一時南北に分断され、山火事も起きるなど甚大な被害を受けました。また、本土との交通手段が船舶だけだったために孤立状態が続き、電気や水も断絶しました。このことから、本土と陸路でつながる必要性が再認識され、復興のシンボル事業として「大島架橋事業」が着手。ついに2019年4月に住民の半世紀来の悲願であった「気仙沼大島大橋(愛称「鶴亀大橋」)」が開通しました。白亜のアーチ橋は297m(アーチ支間長)と東日本一の長さ。全国でも、愛媛の大三島橋とならび3番目の長さを誇ります。歩道があるので、海を眺めながら歩くこともできます。津波の浸水高を考慮した高さになっています。この橋の完成により、住民の生活の利便性の向上や救急医療などの安全の確保はもちろん、観光交流や産業の活性化も期待されます。現在ではマリンアクティビティを楽しめる体験ツアーも盛んで、島をめぐりながら「震災講話」を聞けるプログラムもあります。