山形県飯豊町を代表する景観である「田園散居集落」は、広がる田園の中に家々が散居しており、家屋の北西側には杉の屋敷林が植えられています。この屋敷林は、夏の強い日差しを遮り、秋の収穫期には稲を乾かすための“はせかけ”の支柱となり、冬の厳しい北西風を防ぐために植えられました。枝は燃料となり、大木となった杉の木は、家の晋請用に使われました。
北西の方向にはスギなどの針葉樹を上、南のほうには梅やもみじ、杏、ざくろ、いちじくといった広葉樹を植えて花や実を楽しむばかりでなく、夏を涼しく過ごし、落葉した冬には太陽の光が差し込むようにするなど昔の人たちは、北国の厳しい環境の中で、知恵を働かせ、きわめて合理的でエコな生活をしていました。
農村の営みのなかで長い間、守り育て・受け継がれたこの景観は、町の貴重な景観財産です。
町内の2か所の展望台から一望することができます。◆どんでん平ゆり園展望台◆ホトケヤマ展望台