須賀川で1番大きい夏祭りの”きうり天王祭”は、毎年7月14日の夜に、南町地内に設けられる仮殿で、宵祭りが賑やかに行なわれます。このお祭りは、むかしこの地方に疫病が流行った時に、人々が旭ヶ岡にある今の岩瀬神社に祀られてある「牛頭天王」の祟りだとして、この地域で採れるきゅうりをお供えして祈ったところ、疫病が治まったとされていることが由来のお祭りです。今でも、これに倣ってきゅうりを2本お供えしてお詣りした後、お護符代わりに1本を受け取り、それを食べるとその年は無病息災・家内安全のご利益があるといわれています。
当日は浴衣姿の家族連れなどの参詣人が訪れ、様々な露店が並ぶ会場は多くの人でにぎわいます。この日に供えられるきゅうりは5~6000本にもなるといわれます。
白河風土記にも、つぎのように書かれています。
「牛頭天王社朝日稲荷ノ社地中ニアリ隔年に6月14日ヨリ15日迄当町ノ黒門(町ノ南木戸ノコト)ノ側ヘ仮殿ヲ建テ神輿ヲ渡ス其初メノ年暦ハ不詳・・・・・」
いまは、毎年新暦の7月14日に行われており、そして、その仮殿をつくって、いまの場所でお祭りをするようになったのは、約200年以上前の宝暦年間(1750年代)であるともいわれています。