失われつつある日本古来の和船の建造技術や構造を紹介するとともに、北前船の歴史、文化を後世に伝えるために、船大工16人によって建造された復元船です。平成17年に完成し、平成23年には日本海文化交流事業において、10道県14港を就航したほか、平成25年には東日本大震災復興支援として5都県8港を就航するなどの活躍をしました。野辺地町は、北前船の一大寄港地として栄えた歴史と文化をもつことから、平成26年に「みちのく丸」の譲渡を受けました。「みちのく丸」は、平成29年5月公開の映画「たたら侍」やテレビドラマなどにも使用されており、平成30年4月には、常夜燈公園に陸揚げされました。
●みちのく丸主要データ全長 32m 帆柱までの高さ 28m 重量 100t 深さ 3m 全幅 8.5m 千石積(150t相当)
●北前船とは日本海海運の主力となった商船。大坂(大阪)を起点として、日本海沿岸の湊に寄港しながら蝦夷地(北海道)まで年一往復で結び、各地で物資を売り買いして利益を上げる買積船として活躍した船です。米や海産物などの食料や肥料、日用品等だけでなく、様々な文化も運びました。最も活躍した時代は江戸時代末期から明治期で、青森県でも野辺地、深浦、鰺ヶ沢など北前船が寄港した地には、文化、歴史、寺社などに多数の船絵馬、ゆかりの品が残り、当時の繁栄を今に伝えています。また、北前船という名称は、日本海海域の荷物を積んで海を走る船に対する上方・瀬戸内方面での総称・呼称であり、船型は時代によって様々です。