八戸地方・岩手県北地方で広く食べられている「南部せんべい」は小麦粉と塩と水を混ぜて練った生地を、丸い鋳型で焼いた、素朴ながら味わい深い食べ物です。八戸地方では海から吹く冷たい季節風「やませ」の影響で米を収穫できなかったため、凶作に強いそばや麦の栽培が盛んでした。そばや麦の粉を練り上げて、各家の囲炉裏であぶって食べたのが「南部せんべい」の始まりと言われており、八戸は南部せんべい発祥の地と言われています。
「南部せんべいの食べ方いろいろ」
●てんぽせんべい…半焼きのやわらかいせんべい。
●こびりっこ…農作業の休憩時に食べるおやつ(小昼)で、ご飯類をせんべいではさんだもの。
●みみ…丸く焼き上げる過程ではみ出した部分を切り落としたもの。
●八戸せんべい汁…鶏だしやサバだしの鍋汁の中に、旬の野菜や豆腐、専用の南部せんべい(おつゆせんべい)を割り入れて煮込んで食べる郷土料理。など、食べ方や種類もさまざまです。
※2020年2月29日現在の情報です。