江戸時代から昭和初期まで、田野畑村など北三陸沿岸一帯で塩が作られ、牛や馬によって「塩の道」と呼ばれる街道を通って、内陸へ運ばれていました。塩は海のまちにとって、貴重な収入源でした。
昔ながらの「直煮(じきに)製法」という作り方で、海水を煮詰めます。田野畑の沖の海水を運び入れ、薪をくべながらくつくつと水分を蒸発させると、少しずつ塩の結晶が見えてきます。
作業は単純ながら、大量の海水からわずかに生み出される塩の量は、いかに貴重であったかを実感できます。できあがった塩はお土産としてお持ち帰りできますので、ぜひ塩むすびなどで味わってみてください。