平川市にある「盛美園」は清藤家24代当主、清藤盛美が大石武学流4代宗匠の小幡亭樹を招き、明治35年(1902年)から9年の歳月を費やして作庭した、大石武学流(本来の仏教文化に、地方的な古神道文化の手法を取り入れた京都風の庭園)と呼ばれる池泉枯山水回遊式の代表的名園です。この庭園は、武学流の真髄を示した最高峰の名園として造園当時から高く評価されました。国指定名勝に指定され、京都の無鄰庵、清風荘とともに明治の三名園の一つに数えられています。
盛美園、盛美館の景観は、平成22年(2010年)に公開されたスタジオジブリのアニメ作品『借りぐらしのアリエッティ』の舞台の参考になったと言われています。
【施設概要】
①盛美館:盛美園内にある、1階が純和風、2階が洋風の和洋折衷の珍しい建物。庭園と融合した独特の美しさがあります。
②御宝殿:清藤家の位牌堂で大正6年に造営され、十畳敷きの堂内は金箔に覆われています。蒔絵は河面冬山が大正初期に完成させた大作で三部五枚からなる豪華絢爛なものです。特にさくらに孔雀の蒔絵は日本最大のもので(約180cm×210cm)漆芸の最高峰といわれています。保存のため盛美園開館時間中、30分ごとに1回約3分間のペースで公開しています。
(2022年1月現在の情報です)