二戸市内には、市内の皆様に親しまれている国指定史跡九戸城跡を始め縄文時代から江戸時代まで約600ヵ所の遺跡が確認されています。
二戸市埋蔵文化財センターでは、市内遺跡の発掘調査で出土した貴重な遺物を皆様に広くご覧いただけるように、出土した遺物の調査・整理・収蔵・保管といった作業を行い展示しております。 九戸城の御城印もここで受付しています(1枚300円)。
【主な展示品 】■「九戸城とその時代」ブース 九戸城は九戸氏の居城でしたが、九戸政実の乱により落城。その後、南部宗家の本城、福岡城となり、盛岡城が本城となった後に廃城となりました。三方が川に囲まれた壮大な平山城で、福岡城の石垣が残るほか、発掘調査で、九戸城時代の遺構・遺物が発見されています。
九戸城の二ノ丸跡の発掘調査では、工房跡と考えられる建物跡から漆の上に金泥を塗り込めた鎧の部品である札(さね)が、漆塗りのパレットに使われた貝殻とともに発見されています。その工房跡の様子を模型で展示しています。
■「縄文の世界」ブース 縄文時代を早期・前期・中期・後期・晩期の順に、中曽根遺跡の尖底せんてい土器(早期)や上里遺跡の人骨群(前・中期)、荒谷遺跡の甕かめ棺かん墓(後期)、馬立遺跡の狩猟しゅりょう文もん土器(後期)、・雨滝遺跡の遮光器しゃこうき土偶(晩期)など、縄文時代の生活・葬制や祭祀を学ぶ上で貴重な資料を多数展示しています 。
■「弥生から古墳、鎌倉へ」ブース 弥生時代、古墳時代、奈良時代・平安時代、鎌倉時代の順に、上杉沢遺跡から出土した遠賀おんが川式がわしき土器や国内最大級のクマ形土製品、堀野古墳から出土した副葬品の蕨手刀や、中曽根遺跡出土の土師器、柄杓、玉類などを展示しています。
中でも、諏訪前遺跡は、鎌倉幕府から糠部を治めるために派遣された武士の居館と考えられており、岩手県では他に類を見ない大変貴重な遺跡です。居館に暮らす武士の生活を想像させる四し緒手おでと呼ばれる馬具や、刀装具の土製の合わせ鋳型、陶磁器などを展示しています。