二戸市の南の玄関口、馬淵川の清流を挟んでそびえ立つ景勝の地、馬仙峡は1950年頃、二戸市出身の故国分謙吉岩手県知事によって命名されました。折爪岳とともに、1962年に県立自然公園に指定されています。馬仙峡は馬淵川と安比川の合流点から下流の馬淵川の渓谷と、左岸の男神岩・女神岩、右岸の大崩崖一帯が指定地とされており、四季折々の自然美で人々を魅了しています。
■男神岩・女神岩男神岩(直下の川より180m)、女神岩(同160m)の二つの巨岩は、硬い安山岩質の岩石から出来ており、長い間の浸食によってその景観美が作られました。大きさから言えば日本一の夫婦岩で、男神岩にある展望台から市内を一望でき、新緑の春、紅葉の秋など、四季折々の鮮やかな風景をみることができます。
■明神ヶ淵女神岩のすぐ下を明神ヶ淵といい、男神岩・女神岩を見上げたり、対岸の大崩崖を望んだりできる馬仙峡のもっとも美しいポイントの一つです。また、一帯は公園として整備されており、直木賞作家渡辺喜恵子の歌碑や二戸初の発電所、大渕発電所を記念した田中舘愛橘博士のローマ字の碑が立っています。
■大崩崖海底火山が隆起して形成されたものといわれています。大崩崖は崖の途中から地層が変わっているのも特徴です。頂上には九戸の戦いに初陣しながら病没した上方軍の蒲生氏綱(氏郷の甥)の墓があると伝えられています。